投資を始めて良かったこと

FIRE準備

投資を始めて結構経ちますが、これまでの過程を振り返ってみると、投資によって得られた変化は、お金そのものだけではなく、物事の見方や考え方にもかなり影響したと思います。

今回は、投資を始める前と後でどういった変化があったのかを書いてみました。

1.努力の限界を理解した

投資を始める前は努力は報われるものだと思っていました。十分な準備を重ねて努力をすれば、それに応じた成果が得られる。もし成果が出ないのなら、それは努力をしてないからだ。 なので、本気出せば結果は出るんだと、割と本気で思っていました。

しかし、投資の世界では、努力だけで結果は決まりません。どれだけ事前に調査して分析を重ねても、予測が外れることは普通にあります。2008年のリーマンショックのとき、自分で作成したシステムが通用せず、大きな損失を出した経験は今でもよく覚えています。個人の努力や準備の量とは、全く関係のないところで結果が決まってしまう現実を実感しました。自分の能力の限界を本気で理解した瞬間でもありました。

この考えは投資に限った話ではなく、仕事や日常生活にも適用されるようになりました。実際、自分がどれだけ努力しても、コントロールできない外部の要因によって結果が変わってしまう場面は多く存在します。

努力そのものを否定しているわけではなく、ただ、自分の力が届かないものが存在すると理解しているだけで、予想外の状況になったときの負荷は小さくなります。頑張って結果が出なくても、思い悩むことが少なくなりました。努力の万能感を捨てることで、かえって何をやるべきかに集中できるようになったと思います。

2.複数の時間軸で物事を考えるようになった

投資を行っていると、時間の長さを意識せざるを得ません。今の価格変動、一ヶ月後の傾向、そして10年後の資産状況は、それぞれ異なる変数の影響を受けるからです。短期的な下落が長期的な視点では単なる誤差に過ぎないこともあれば、目先の判断が将来の損失につながることもあります。

この時間軸を使い分ける感覚が、日常生活や仕事の判断にも影響を与えるようになりました。 今解決すべきなのか、短期的にどう処理するか、そのときのメリット・デメリットは?中期的・長期的にはどうなのか、という視点です。自然と時間軸ごとの処理を同時に考えるようになりました。

例えば、会社でトラブルが起きたときなどが分かりやすいと思うのですが、 投資を始める前なら、とにかく目の前の問題をどうにかすることだけに全力を注いでいたかもしれません。でも今は、即効性のある暫定的な対応で今の状況を落ち着かせつつ、同時に、時間はかかるけれど根本的に解決するための長期的な対策を並行して考えるようになりました。

人間関係の問題も、発生した瞬間は大きく感じられますが、時間を味方にすれば、過剰に焦ったり感情的になったりするのを防げます。もし投資を経験していなければ、目先の出来事にフォーカスしすぎてしまうままだったかもしれません。

3.楽観的な予測を信じなくなった

投資の世界には、さまざまな予測や意見が溢れています。専門家やメディアの解説、成功した個人投資家の言葉等、一見すると説得力があるように思えるものも多いです。

しかし、そうした情報を鵜呑みにして失敗経験を経て、情報そのものを見る前に「この発信者は、どういう立場で、何の目的でこれを言っているのか」を最初に考える習慣がつきました。人は自分が有利になる方向へと意見を発信しがちですし、例えその気がなくとも、極端に言ってしまえば、基本話すことは全てその人のポジショントークとなります。また、必ずしも合理的な判断ができるわけではないということも、投資の世界にいると良く分かってきます。

この視点は、投資以外の場面でも役に立っていると思います。SNSで見かける意見はもちろんそうでしょうが、社内での発言も、相手がどのような背景からその意見を発しているか、客観視するようになりました。

これは、周囲のすべてを疑ってかかると言っているわけではなく、根拠の分からない楽観的な見通しに影響されず、自分の頭で自分ごとに置き換えて判断するための習慣です。


投資を始めた頃は、単純にお金を増やしたいという気持ちだけでした。それから20年以上経ちましたが、 資産そのもの以上に、こういう物事の見方の変化の方が、今の自分を支えている部分は案外大きいのかもしれません


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