今後の運用の安定化に向けて、ビットコインの自動売買に続く収益源として、現在、トライオートETFの運用強化を進めています。
トライオートETFの運用設定を見直すにあたり、効果的な設定を探すために、バックテストを行いました。
バックテストで使用した銘柄は、トライオートETFの運用でこれまでメインで使ってきたTQQQです。
バックテストをどのように行ったのかと、バックテストの結果について紹介していきたいと思います。
バックテストとは
まず、バックテストとは何かについて説明します。
バックテストというのは、ヒストリカルデータ(過去の株価レートの推移のデータ)を使って、ある売買ルールに基づいてシミュレーション(仮想的に売買)を行い、その売買ルールがどのくらい儲かるのか、検証することを言います。
基本的には、バックテストで成績の良い方法を実際の運用でも使っていくことになります。
注意点としては、バックテスト結果が良かったからといって、実際の取引で必ず同じように儲かるわけではないことです。過去のデータから未来が予測できるわけはないので、当たり前ですね。
ただ、以下の理由からバックテストをやる意味はそれなりにあると考えています。
・検証期間の相場の傾向が、今後急に変わることがない可能性が高い
・検証期間中どのくらいのリスク・リターンになるか定量化できる
・選択肢が多岐にわたる場合、候補を絞り込める
・人間がパラメータを感覚的に判断するよりはましである
バックテスト結果を見たうえで、定性的にも効果がありそうか判断、また、自身の相場観とも相談し、取捨選択していくことが重要となると考えます。
バックテスト方法・条件
ヒストリカルデータは以前紹介したPythonスクリプトを使用してalphavantage.co から取得しています。
期間は2020/11/1~2021/10/30まで、日足で入手しました。
取引ルールは下記をベースにしています。
レンジ上限、レンジ幅、利確幅をパラメータとして下記設定を網羅的にバックテストしています。
・レンジ上限:99%, 98%, 96%, 93%, 89%, 84%
・レンジ幅 :10%, 15%, 20%, 25%, 30%
・利確幅 :2%, 3%, 4%, 5%, 6%, 8%
・数量は2で固定
資金は100万円スタートとし、注文本数はロスカットが発生しないよう以下のツールの計算式で逆算して決定しています。
スプレッドはレートに対する割合が固定であるとして、2021/10/30時点のレートとスプレッドの比率を適用しています。金利は考慮していません。
シミュレーションでは、日足の始値、安値、高値、終値の情報しかないことから、始値→安値→高値→終値のパターンと、始値→高値→安値→終値のパターン両方で取引してみて、成績の悪かった結果を採用するようにしています。
つまり、バックテスト結果がより悲観的に出る方で検証しています。
また、バックテストで使用したプログラムは完全自作です。
なのでもしかしたらバグがあるかもしれません。
バックテスト結果
レンジ上限6種、レンジ幅5種、利確幅6種の合計180パターンでバックテストしたもののうち、リターンが上位でリスクがある程度抑えらているものをピックアップしたのが以下の結果です。
レンジ上限 | レンジ幅 | 利確幅 | リターン | リスク | Max ドローダウン | シャープ レシオ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
(1) | 99% | 10% | 2% | 87.8% | 41.9% | 26.2% | 2.1 |
(2) | 99% | 10% | 5% | 90.5% | 44.4% | 27.9% | 2.0 |
(3) | 99% | 15% | 2% | 75.1% | 36.9% | 21.9% | 2.0 |
(4) | 99% | 20% | 2% | 69.5% | 33.4% | 19.0% | 2.1 |
(5) | 99% | 20% | 3% | 68.2% | 34.1% | 17.9% | 2.0 |
(6) | 99% | 20% | 5% | 67.3% | 35.9% | 20.6% | 1.9 |
レンジ上限は、高値に近いほど良いパフォーマンスとなっています。
レンジ幅は狭い方がハイリスク・ハイリターン。広がるにつれてリターンもリスクも下がっていきます。広げすぎると、リターンが低すぎていまひとつという感じになります。
利確幅は広い方がハイリスク・ハイリターンで、狭い方がリターンは少し減りますが安定します。
評価額の推移をみると、形状はどれも同じような感じで、リスクの大きさにあわせて振れ幅も大きくなっているような状況です。利確幅の違いで、少し傾向が変わるのではと思っていましたが、案外どれも同じような動きでした。
Next Step
まずはメインのTQQQでバックテストをしてみました。
180条件の結果の中から、6条件良さそうなものを選んで、個別に見てみました。
次のステップとしては、残りの28銘柄×180条件でバックテストしてみる予定です。
TQQQとは違った動きで、リターンが高いものがあると嬉しいのですが。
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